『臥待月の夢』作成現場・その2。
文責:彩都@総務部長(ページ制作・管理担当)

「臥待月の夢」各コンテンツには、和歌が一首ずつ添えてあります。
始まりはサイト開設前、私@彩都が各ページを制作していた時に、「デザイン的に少し寂しいな」と思って試験的に(?)付け加えたもの。 試しにトップページ・小説ページ入り口(注意文の提示箇所)に書き添えてみてから、他メンバーに意見を求めたところ、「面白い」との答えが返ってきたのでそのまま採用、現在に至るという訳です。
「最遊記」は中国の話なのに(……多分)和歌を添えるのはどうか、という迷いも実はあったんですが(汗)、正式OPEN後、訪れたお客様からもご好評を頂き、ページ制作者として非常に嬉しい思いがしました。。。

因みに私は、かつて国文学を専攻……していた訳ではありません。
実は、学生時代に古典の授業で習った程度。知識は浅く記憶も曖昧、「歌をたしなむ」には程遠いのが実態。
幸い、インターネット上には素晴らしい解説ページや初心者向け講座等も沢山ありますので、そちらの読解文や講釈にひたすら頼る頼る(汗)

そんなことはさておき。(だったら書くな)
以下、各ページに添えている和歌をリストアップしてみました。「」は出典元、その後ろに作者名(不明分は「詠み人知らず」としました)、()内に掲載コンテンツ名を記しています。
<自力では解説等は書けないので(汗)、意訳は載せてません。すみません。(平謝り)







月読みの 光に来ませ あしひきの 山 きへなりて 遠からなくに
「万葉集」湯原王 (トップページ)
 
由良のとを 渡る舟人(ふなびと) かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
「新古今集」曾禰 好忠 (Read Me)
 
物思ふと 過ぐる月日も 知らぬ間に 今年は今日に 果てぬとか聞く
「後撰集」藤原 敦忠 (更新履歴)
 
臥して思ひ 起きて数ふる 万世は 神ぞ知るらん 我が君のため
「古今集」 素性法師 (過去の更新記録ページ)
 
君や来し 我や行きけん おもほえず 夢かうつつか 寝てか覚めてか
「伊勢物語」第六十九段 斎宮 (入室前の注意)
かきくらす 心の闇に 惑ひにき 夢うつつとは 今宵さだめよ
「伊勢物語」第六十九段 在原 業平 (名前入力ページ)
↑の二首は相聞歌なんですが、お気付きになられた方、いらっしゃいました?
 
かぎりなき 雲居のよそに 別るとも 人を心に おくらさむやは
「古今集」詠み人知らず (悟空Dream)
 
恋ひ死ねと するわざならし むばたまの 夜はすがらに 夢に見えつつ
「古今集」詠み人知らず (三蔵/金蝉Dream)
 
君ならで 誰にか見せん 梅の花 色をも香(か)をも 知る人ぞ知る
「古今集」紀 友則 (八戒/天蓬Dream)
 
袖ぬるる こひぢとかつは 知りながら おりたつ田子(たこ)の みづからぞ憂き
「源氏物語」葵の段 六条御息所 (悟浄/捲簾Dream)
 
風のうへに ありか定めぬ 塵の身は ゆくへも知らず なりぬべらなり
「古今集」詠み人知らず (Confused Dream)
 
幾世(いくせ)へて 後か忘れん 散りぬべき 野辺の秋萩 みがく月夜を
「後撰集」清原 深養父 (Anothers)
 
昼は咲き 夜は恋ひ寝る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ
「万葉集」紀女郎 (Shuffle The Characters)
 
はかなくて 夢にも人を 見つる夜は あしたのとこぞ 起きうかりける
「古今集」素性法師 (Guests’ Salon)
 
馬買はば 妹(いも)かちならむ よしゑやし 石は踏むとも 吾(あ)は二人行かむ
「万葉集」詠み人知らず (Memorial Count)
 
いつのまに 散りはてぬらん 桜花 面影にのみ 色を見せつつ
「後撰集」凡河内 躬恒 (Dreams for Project)
 
むばたまの 闇のうつつは さだかなる 夢に幾らも まさらざりけり
「古今集」詠み人知らず (Unknown)
 
夕闇は みちたづたづし 月待ちて 行ませ吾が背子 その間にも見む
「万葉集」大宅女 (ヒロインたちの舞台裏シリーズ)
 
沈みしも 忘れぬものを こりずまに 身も投げつべき 宿の藤波
「源氏物語」若菜上の段 光源氏 (Underground・入室前の注意)
身を投げむ 淵もまことの 淵ならで かけじやさらに こりずまの波
「源氏物語」若菜上の段 朧月夜 (Underground・トップページ)
↑の二首も相聞歌でした。お気付きになられましたでしょうか?
 
春深き 色にもあるかな 住江の 底も緑に 見ゆる浜松
「後撰集」 詠み人知らず (Gallery)
 
宿りして 春の山辺に 寝たる夜は 夢の内にも 花ぞ散りける
「古今集」紀 貫之 (BBS)
 
寝られぬを しひて我が寝る 春の夜の 夢をうつつに なすよしもがな
「後撰集」詠み人知らず (「舞台裏」専用BBS)
 
君待つと 山の端いでて 山の端に 入るまで月を 眺めつるかな
「詞花集」橘 為義 (メールフォーム)
 
生ける人 遂にも死ぬる ものにあれば この世にある間は 楽しくをあらな
「万葉集」大伴 旅人 (Staff’s Room)
 
花の色は うつりにけりな いたづらに 我が身世にふる ながめせしまに
「古今集」小野小町 (委員長的日々徒然)
 
熟田津(にぎだづ)に 船乗りせむと 月待てば 潮もかなひぬ 今は漕ぎ出でな
「万葉集」額田女王 (Links)
 


めづらしき 光さしそふ さかづきは もちながらこそ 千代もめぐらめ
「後拾遺集」紫式部 (トップページ02年新年仕様 : 01.12.28 〜 02.1.10)
 
木の間より 洩り来る月の かげ見れば 心尽くしの 秋は来にけり
「古今集」 詠み人知らず (トップページ“一周年記念”仕様 : 02.9.6 〜 02.10.5)
 
みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも めぐり逢ひける えには深しな
「源氏物語」澪標の段 光源氏 (一周年記念企画ページ : 02.9.6 〜 02.10.5)
 
初春の はつねの今日の 玉帚(たまははき) 手にとるからに ゆらぐ玉の緒
「新古今集」 詠み人知らず (トップページ03年新年仕様 : 02.12.27 〜 03.1.10)
 
思ひ寝の 夜な夜な夢に 逢ふ事を ただ片時の うつつともがな
「後撰集」 詠み人知らず (トップページ“二周年記念”仕様 : 03.9.5 〜 03.10.2)
 
時の間の うつつをしのぶ 心こそ はかなき夢に まさらざりけれ
「後撰集」 詠み人知らず (二周年記念企画ページ : 03.9.5 〜 03.10.2)
 



三蔵一行それぞれのページは各担当者が、「Read Me」「委員長的日々徒然」は勿論、眠林@いいんちょ本人が、その他のページは私@制作担当か眠林@いいんちょがほぼ独断と偏見と趣味と思い込みで選んでおります。
但し悟浄・捲簾ページは、制作当時にwwr@悟浄ページ担当がまだ「委員会」に正式参加していなかったため (当時「悟浄担当」は空席でした)、眠林@いいんちょが代理で選びました。(でも後日、wwr本人も「悟浄のためなら生霊になっても構わないからこれでOK」って言ったもん……笑)
後日、新規加入した波水の「Confused Dreams」のページも勿論、本人が選んでおります。和歌はあまり馴染みが無いそうなので、半泣きになりながら選んでいたんですが(苦笑)

もし宜しければ、是非是非それぞれの歌の意味も併せてお楽しみ下さいまし。。。
(中には、かなり苦し紛れに選定した歌もあるんですけどね・汗笑)
(2002.6.28掲載、2003.10.17改訂)


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