独 り 言




「あ〜、いい天気になったよなぁ。出掛けに八戒が洗濯物干してけとか言うから遅れちまったじゃねえか。の方から誘ってくるなんて滅多に無ぇんだから、機嫌悪くされたら大変なんだよ。あっ、さてはひがんでんな、八戒の奴。ふん、ザマ―ミロ。
いつまでも姉貴の面影なんか大事に抱えてないで、生身の彼女でも作ればいーんだよ。あの顔なら選び放題なのにって、も言ってたなぁ。残念そうな顔して…………横取りなんかされねえだろうなぁ。つか、に八戒と浮気なんかされたら、俺、どーみても馬鹿じゃん。あ〜〜〜、サルが指差して笑う顔が見える。やめだやめ。奴に女なんか絶対紹介しねぇぞ。」



「花でも買っていきますかねぇ。遅刻して現れて手ぶらってのは、やっぱマズいよな。あ。でも、あいつ花とか詳しいんだよなぁ。俺、あんなのの良し悪しなんかわかんねえからなぁ。つまんねぇ物買ってて遅刻してたと思われるくらいなら、手ぶらの方がまだいいよな。それとも如何にも頑張って急いできたんです〜〜って、カンジの方がいいかねぇ。あーもー、俺、何考えてんだ?。タラシの名が泣くぜ。いやだって、って怒ると怖えんだよな。俺、怒ると怖いタイプ好きなのかもなぁ。マゾだったのかも。うわ〜〜〜。でも、付き合う奴男も含めてとんでもねぇのばっかりだよなぁ。俺って忍耐力があるよなぁ。凄いよなぁ、俺。」



「あ。やべ。タバコねーや。どーするよ。結局なんも買ってないのに、タバコ買うためにもっと遅れたら、ヤバイじゃん。大体、俺が煙草吸うのいい顔しねぇんだよなぁ、は。新しい箱なんか目の前で開けたら、もっと機嫌損ねるな。しょうがねえなぁ、禁煙するか、半日。いや、俺の機嫌が悪くなるな。結局喧嘩になりそうじゃねーか。あ〜〜、坊主でもいいから通りかかんね―かな。この辺、寺に近いんだし。ちょっと2.3本分けて…………くれるわきゃねーな、絶対。訳話したところで、ふん、とか鼻で笑われてしまいだな。つか、訳なんか話したらもっとくれねーな。それに俺、あんなヤワいタバコ吸いたかねーしよ。ふん。」



「そもそも、何で今日に限ってのほうから誘ってきたんだ?。いつも俺が誘おうが口説こうがアッサリしてんのによ。いや、のって来てくれねぇ訳じゃねえんだけど。んで、その辺の加減がイイんだけどよ。変にあっちからアプローチがあるとまた調子狂うよな。あ!!。まさか、別れ話持ち出すつもりじゃねぇだろうなぁ。わ。どーするよ、ちょっと。凄く逃げたくなってきた。俺、引き際は潔いハズだったんだけど。つか、の別れ話ってだけで、何故か凄く怖ぇんだけど、何で??。」



「そーいや、悟空がいつだったか『悟浄ってのどんなとこががいいの?』とか聞いてきやがったなぁ。あれ、どーゆー意味なのかね。あのサル、時々妙な事言い出すからなぁ。そーいやあん時、八戒が爆笑してたよなぁ。三蔵も鼻で笑いやがったしな。畜生。」



「やばい。あの角曲がったら、待ち合わせ場所じゃん。何か逃げたい気分。いや、ここで逃げたりしたら間違いなくフられるな。八戒と三蔵に笑われて悟空に慰められたりしたら、俺、立ち直れねぇな、きっと。」



「あ〜〜〜〜。行くしかねえなぁ。仕方ねえなぁ。大体なー、あれだよなー、出掛けに八戒が洗濯物干してけとか言うから遅れ――」









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