眠林いいんちょの、偏った妄想麻雀講座。文責:眠林 |
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1.基本篇 || 2.八戒篇 || 3.悟浄篇 || 4.悟空篇 || 5.三蔵篇 || 6.考察+まとめ |
4.悟空篇
さて、ここでちょっと話を戻して、「半チャン10回連続悟空がトップ」あたりに注目してみましょう。 私の敬愛する、畑正憲先生が、以前、こう書いておられました。 (別に、ムツゴロウさんを引き合いに出すのは、「悟空が動物だ」とか言いたい訳ではないのですが……笑) 「どんな名人だって、半荘を必ず勝つとは言い難い。 麻雀は、「半荘(半チャン)」を1ゲームとするのがポピュラーです。半荘とは、最初に親が一巡する「東場(トンば)」と、次にもう1回親が一巡する「南場(ナンば)」まで。ここまで終了すると、点数を確認して、順位を決めます。 (因みに、「西場」、「北場」までやると、「一荘」と言います。また、得点差がつかないときは「西入(シャーニュウ)」と言って、「西場」までやることもあります。) つまり麻雀では、「局(誰かが上がるか、山牌を取り尽くして終了するまでの1回)」で勝つ短期的戦術と、「半荘終了時」に勝っている長期的戦略と、両方があって初めて「強い」と言えます。 毎局毎局、高い手で上がり続けることは、まあほぼ不可能です。 そうすると、「勝つ(上がる)」こと以外にも、戦略的に次のような考え方を持つ必要が出来てくるわけです。
基本的には捨て牌から推理するのですが、極端な話、相手の表情や会話の端々からでも、幾らでも読み取れるそうです。勿論、とても技術と集中力を必要とします。八戒が「悟空が空腹を訴えないなんて」と訝しむのは、当然です。(笑) そして、他人の手の内を読み、「相手の上がり牌を捨てない」で、更に誰かが高い手を狙っていそうな時は、「安くても先に上がってしまう(上がり阻止とか言います)」。こういう技術が使えないと、半荘で常時上位にいるのは難しいです。まして、「10回連続トップ」なんて、ふつー、そんなこと出来る奴、居ません。(汗) では、今回の「半荘11回分」(汗笑)の、上がり手を中心に悟空の動向を探れるだけ探ってみます。 で、翌月 (同誌01年7月号) まで持ち越して(笑)、悟空が半荘10回連続トップ(by悟浄)。 一見、「大車輪」の八戒や、「ドラ乗りまくり」の悟浄、更に後述の「国士無双」の三蔵と比べて地味に見えますが、それまでは恐らく、彼が他にも平凡な手で何回も上がっている分、他の3人は殆ど上がれなかったはずです。 (逆に見ると、この時点まででは「悟空の集中力が上がっている」と同時に、「20代3人のメンタリティが下がっている」と、言うことも読み取れるわけです) 特に、流れの変化の起点になっていた「メンタンピン一発三色一盃口ドラ1※」の時は、細かい手を重ねて高めに持っていっている上に、「一発」は、振り込んだほうがマジで悔しいもんなのです。 あの「二万四千点。」の悟空の顔は、最高…♪。(壊) そして、全半荘通して「図ったよーに三蔵の捨て牌で上がってる」(by悟浄)って事は、 「三蔵から一番点をとっている(三蔵が一番点をとられている)」 という事です。 先ほど、「振り込まない」「他者の上がり阻止」だけでも、大概集中力を使うと書きましたが、更に「ターゲットを狙」ってまで居るわけです。もお、誰に向かって、何を言いたいかは、一目瞭然です。 とどめが、「みんながいつもより弱いんだ」。 うーわーーーー。彼も「男」だあぁぁっっっ、と、本屋店頭で叫んだものです。(爆) そして、三蔵に「次は勝つ」と言わせた後の、あの満足そうな顔…。 おねーさんは、結構惚れ直したぞ、悟空。 因みに、彩都@三蔵担当がこの麻雀シーンについて、「三蔵さんにとって小猿はなくてはならない存在だと、改めて思い知らされた気がする」と、度々言っておりました。 連載時 (同誌01年7月号) 、彼女はこれを電車の中で読み、「うっかり本当に絶叫するとこ」だったそうです。(笑) |
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